視察最終地は、長浜市の黒壁スクエアです。
嘗て、楽市楽座として栄えた長浜の中心市街地も郊外に
大型店舗が進出したことにより、商店街が衰退してしまいました。
中心市街地の活性化を目的として、以前より街のシンボルでもあった
黒壁銀行という名称で親しまれていた第百三十銀行の建物を拠点として
活用し、長浜らしさという固定観念を捨てて①建物を含めた歴史性
②祭りを含めた文化芸術性③国際性豊かなもの の観点から
「ガラス」文化の事業によるまちづくりを行い賑わいを取り戻しました。
今回視察した3か所は、すべて地域の方々によりまちづくりが行われています。
まちづくりや商店街の活性化はすべての地域に有効な特効薬はありません。
はやり地域の実情や特性を活かすまちづくりが必要です。
地域の特性や実情を知るためには、地域の方々の声を聞くことであり
まちづくりや商店街活性化のためには共に汗を流すことだと感じた視察でもあります。
2012年11月アーカイブ
9日(水)には、先ず「生水の郷」針江で、湧水を炊事や飲料水など日常生活に
利用できる「川端(かばた)」を視察しました。
かばたの仕組みは、地下水をくみ上げ、壺池にためます。その壺池では
野菜などを洗います。
壺池から流れ出た水は端池にたまり、そこでは鍋や食器などのすすぎ洗い、
また鯉を飼うなどして出た残飯を食べて貰い、外の水路に流れ出る水を
出来るだけきれいな状態にします。
その水路は町中を流れ、「川上の人を信頼し川下の人を思いやる」気持ちで
大切にされています。
(かばた)
「かばた」をテレビで取り上げられたことで、多くの観光客が町を
訪れることとなりましたが、見知らぬ人が町を訪れることで
子供たちの安全が脅かされる問題も起こり、そこで地域内の有志により
ボランティア「針江生水の郷委員会」が設立され、ガイドとして
町を案内することとなりました。
観光客が訪れることで地域でもかばたの貴重さが見直されたり、
水を綺麗にしようという活動も高まったそうです。
(針江生水の郷委員会のボランティアによるガイド)
(町を流れる川は本当に綺麗です)
8日(木)から9日(金)の1泊2日で、滋賀県の近江八幡市や高島市にて
「湧水を利用したまちづくり」、長浜市では「黒壁を活かしたまちづくり」についての
視察を行いました。
近江八幡市では浅小井町自治会で郷土文化保存伝承施設「曳山とイ草の館」を運営しており
子供たちが浅小井を誇りに思える町を目指し、地域の特性を生かして、施設を
建設することで途絶えていた祇園囃子も復活しました。
(各町内で使っている6基の曳山が保管されています)
浅小井町は自治会や町内会などで自主的に建築物の形態や色彩、緑化等
協定を結んでいます。自治会では、①環境まちづくり部②歴史まちづくり部
③祭りまちづくり部を作り、湧水ポケットパークや公園の整備など緑あふれる
まちづくりを共同作業で作り上げています。
(湧水ポケットパークにはカモも泳いでます)